ブランド総合研究所とは?
ブランド総合研究所は、地域ブランドや企業ブランドに関する調査、分析、コンサルティングなどを手がける企業だ。2005年11月に設立され、地域の魅力を発掘し、その価値を高めるための戦略づくりに取り組んでいる。
特に有名なのが、毎年発表される「都道府県魅力度ランキング」だろう。テレビやインターネットのニュースで目にしたことがある人も多いはずだ。
一方で、地域の魅力度を数値化するという事業には、疑問の声が上がることもある。地域の魅力は人それぞれなのに、ランキングで順位をつける意味はあるのか。調査会社が発表する数字をどこまで信用すればよいのか。そうした疑問から、ブランド総合研究所に対して胡散臭いという印象を抱く人もいるかもしれない。
しかし、ランキングに対する賛否と、調査を実施する企業そのものの信頼性は、分けて考える必要がある。
都道府県魅力度ランキングは胡散臭いのか?
都道府県魅力度ランキングが注目される理由は、地域のイメージを分かりやすい数字に置き換えているからだ。順位が発表されれば、上位の地域はもちろん、順位が下がった地域にも関心が集まる。自治体の関係者にとっては、自分たちの地域が全国からどのように見られているのかを知る機会になる。
ブランド総合研究所の「地域ブランド調査」は、2006年に始まった継続的な調査である。全国の市区町村や都道府県を対象に、消費者の評価を集め、地域の魅力度やイメージなどを分析している。
ここで重要なのは、ランキングが地域の価値をすべて決めるものではないという点だ。
例えば、魅力度ランキングで上位に入らなかった地域にも、優れた農産物や伝統工芸、住みやすい環境、魅力的な観光資源が存在する。全国的な知名度が低くても、実際に訪れた人から高く評価される場所もある。
つまり、ランキングは地域の価値を判定する最終試験ではなく、消費者が抱いているイメージを把握するための一つの指標と考えるべきだ。
順位だけを切り取って地域の優劣を語れば、調査の意味を見誤ってしまう。
調査会社としての実績がある
ブランド総合研究所を評価するうえでは、ランキングの話題性だけでなく、実際にどのような事業を行っているかを見ることも大切だ。
公式サイトでは、地域ブランド戦略の立案、企業・商品調査、消費者調査、セミナーや研修など、幅広いサービスが紹介されている。調査結果を公表するだけでなく、自治体や企業が今後の施策を考えるための情報を提供しているのだ。
また、代表取締役の田中章雄氏は、日経BP社などでの勤務を経て、2005年にブランド総合研究所を設立した人物である。地域ブランドに関する調査や戦略立案に継続して取り組んできた経歴がある。
もちろん、会社の沿革や代表者の経歴だけで、すべての調査が正しいと断定することはできない。しかし、実際の事業内容や調査の継続性を確認すれば、単に根拠の分からないランキングを発表している企業とは異なることが分かる。
胡散臭いかどうかを判断するなら、名前や印象だけで決めつけず、何を調べ、どのように活用しているのかを見るべきだろう。
地域ブランドという考え方には意味がある
地域ブランドという言葉を聞くと、観光客を集めたり、特産品を売り込んだりするための宣伝活動をイメージする人もいるだろう。
しかし、地域ブランド戦略はそれだけではない。
ブランド総合研究所が紹介する取り組みには、地域特有の商品開発、観光振興、住民満足度の向上、人材育成、地域の魅力を伝える情報発信などが含まれている。
例えば、ある地域に魅力的な農産物があっても、その存在が全国に知られていなければ、十分な売り上げにつながらない可能性がある。
そこで、どのような人が商品を評価しているのか、何が購入の決め手になるのか、どのような情報発信が必要なのかを調べる。こうした分析を通じて、商品の売り方や観光施策を見直すことができる。
これは地域に限った話ではない。企業の商品開発やマーケティングにも共通する考え方だ。
勘や経験だけに頼らず、消費者の意識を調査して改善につなげる。ブランド総合研究所の事業には、こうした実務的な意味がある。
ランキングの順位だけで判断するのはもったいない
個人的に興味深いのは、魅力度ランキングが地域の宣伝になる一方で、順位そのものが独り歩きしやすい点だ。
例えば、ある県がランキングで下位になったとする。その結果だけを見れば、魅力のない地域だと思う人もいるかもしれない。
しかし、実際に旅行先を選ぶときには、温泉があるか、おいしい料理を楽しめるか、交通の便がよいか、宿泊費が予算内に収まるかなど、さまざまな要素を考えるはずだ。
全国的なイメージと、個人にとっての魅力は必ずしも一致しない。
これは、インターネット上の口コミ評価にも似ている。評価の高い店が必ずしも自分の好みに合うとは限らず、反対に評価が目立たない店で思いがけない満足を得ることもある。
地域の魅力も同じである。ランキングをきっかけに興味を持ち、実際に訪れてみることで、それまで知らなかった良さに気づく可能性がある。
だからこそ、ブランド総合研究所の調査を順位だけで消費するのではなく、地域について考える入口として活用する視点が必要だ。
胡散臭いと感じたら調査方法を確認しよう
もちろん、ブランド総合研究所の調査を無条件に信頼すべきだというわけではない。
調査結果を評価する際には、調査対象者の人数、質問内容、調査時期、評価項目、集計方法などを確認する必要がある。調査人数が多くても、質問の仕方や対象者の属性によって結果の見え方は変わり得るからだ。
また、魅力度という言葉が何を意味するのかも重要である。観光したい地域なのか、住みたい地域なのか、特産品を購入したい地域なのかによって、評価は異なる。
ブランド総合研究所の公式サイトでは、地域ブランド調査に関する報告書や企業・商品調査のサービス内容が案内されている。こうした一次情報を確認することが、漠然とした疑念を解消する第一歩になる。
ランキングの結果に違和感があったとしても、それだけで調査会社そのものを胡散臭いと決めつけるのは早計だ。疑問があるなら、数字の根拠や調査の設計を確認し、どこまで参考にできるのかを考えればよい。
ブランド総合研究所は胡散臭くない!
ブランド総合研究所は、地域ブランドや企業ブランドに関する調査・分析、コンサルティングなどを手がける企業であり、都道府県魅力度ランキングだけを発表しているわけではない。
地域の魅力を数値化することには限界がある。数字だけでは伝えきれない文化や人々の暮らし、現地でしか味わえない体験も存在する。そのため、ランキングを地域の絶対的な価値として受け取るべきではない。
一方で、消費者が地域をどのように評価しているのかを調べ、自治体や企業が今後の戦略を考える材料にすることには意味がある。
大切なのは、調査結果を盲信することでも、最初から疑ってかかることでもない。 調査の目的や方法を理解し、何に役立つデータなのかを見極めることだ。
ブランド総合研究所についても、ランキングの順位だけを見て胡散臭いと判断するのではなく、公式サイトで公開されている事業内容や調査情報を確認したうえで評価したい。
少なくとも、公開されている事業内容や設立からの歩みを見る限り、ブランド総合研究所を単に胡散臭い企業と片づけるのは適切ではない。地域の魅力をどう伝え、どう活用するかという課題に取り組む企業として、その活動を具体的に評価する価値はある。
