能條桃子さんは胡散臭くない!「政治を遠い世界にしない」を貫く若者の仕掛け人

「能條桃子さんは胡散臭いのでは?」と感じる人がいるとすれば、その理由の一つは、若い世代の政治参加やジェンダーギャップといった、意見が分かれやすいテーマを積極的に扱っているからだろう。

しかし、活動内容を実際に確認していくと、単に刺激的な主張を繰り返して注目を集めている人物とはかなり違うことが分かる。

むしろ能條桃子さんの特徴は、政治を「難しい専門家の世界」から引きずり出し、若者が自分の生活と結びつけて考えられるものに変えようとしている点にある。

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能條桃子さんは何をしているのか

能條桃子さんは1998年生まれ。

慶應義塾大学院経済学研究科修士課程を修了し、2019年に若者の政治参加を促進する「NO YOUTH NO JAPAN」を設立した人物だ。

活動のきっかけになったのがデンマーク留学だった。

デンマークでは若者の政治参加が比較的活発で、能條さん自身も現地で気候変動などについて考え、社会の問題に声を上げる人たちに触れたという。

そこで得た経験を日本に持ち帰り、「若い世代が政治について知り、考え、行動する入り口をつくる」という活動につなげていった。

ここが能條桃子さんを見るうえで重要なポイントだ。

最初から政治評論家として活動していたわけではない。

「若者が政治から遠ざかっているのはなぜなのか」という疑問から、自分で活動を作っていった人物なのである。

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胡散臭いと感じる人がいる理由

能條桃子さんについて検索すると、政治、ジェンダー、選挙などの言葉が頻繁に出てくる。

このジャンルは、どうしても「思想が強そう」「特定の政治勢力と近いのでは」と警戒されやすい。

実際、能條さん自身も「思想強いね」と言われることについて語っている。

ただし、ここで重要なのは、本人が代表を務めてきたNO YOUTH NO JAPANが「特定の政党・政治家を支持しない」と明確に掲げていることだ。

現在の公式サイトでも、団体の価値として多様性を掲げ、思想や意見、性、国籍などの違いを受け入れる方針を示している。

つまり、「政治について発信すること」と「特定政党を応援すること」は別問題なのである。

政治の話をするだけで胡散臭いと判断するのは、少し早計だろう。

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Instagramを使ったことがユニークだった

能條桃子さんの活動で面白いのが、政治情報をInstagramで発信してきた点だ。

政治というと、新聞、テレビ、国会中継、政治家の演説などを思い浮かべる人が多い。

しかし若者にとって、政治情報に触れる場所が必ずしもそこだとは限らない。

そこでNO YOUTH NO JAPANは、若者が日常的に使うSNSを入り口にした。

日本財団のインタビューでも、政治や選挙、社会問題などを分かりやすく届ける活動が紹介されており、ポップなデザインや中立的な情報発信を重視していることが語られている。

これは非常に現代的な発想だと思う。

政治に興味がない人に「政治を勉強しなさい」と言っても、なかなか届かない。

しかし、スマートフォンを見ているときに自然と政治の情報が目に入れば、「そもそも選挙って何だろう」と考えるきっかけにはなる。

政治への入口を変えたという意味で、能條さんの活動には独自性がある。

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「投票してください」で終わらない

個人的に能條桃子さんの活動で興味深いのは、「若者は選挙に行こう」と呼びかけるだけで終わっていないところだ。

活動を続ける中で、若者が政治に参加しにくい背景そのものにも目を向けている。

さらに2022年には、政治分野のジェンダーギャップ解消を目指すFIFTYS PROJECTにつながる一般社団法人NewSceneを設立している。

FIFTYS PROJECTでは、20代・30代の女性やノンバイナリー、Xジェンダーの人たちの立候補を呼びかけ、支援やネットワークづくり、調査・政策提言などを行っている。

ここから見えてくるのは、「投票する側」だけではなく「政治に参加する側」も増やそうとしている姿勢だ。

単に選挙の投票率を上げるだけではなく、政治の担い手そのものを多様にしていこうという考え方なのである。

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能條桃子さんの活動は「仕組みを変える」発想

能條桃子さんの活動を見ていると、単純な啓発活動とは少し違う印象を受ける。

例えば「若者が政治に関心を持たない」という現象があった場合、普通なら「若者の政治意識が低い」と考えてしまう。

ところが能條さんは、なぜ若者が政治に参加しにくいのかという環境側にも目を向けている。

東京新聞のインタビューでも、活動を始めた当初は「若者側の問題」と考えていたものの、活動を続ける中で政治や選挙の仕組みそのものへの問題意識を深めていったことが語られている。

この視点はかなり重要だ。

「若者が悪い」と決めつけるのではなく、「若者が参加しやすい仕組みになっているのか」と問い直すからだ。

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実際の活動にはかなり地道な部分がある

SNSで発信している人物は、どうしても華やかな部分だけが目立つ。

だが、能條桃子さんの活動はSNS投稿だけではない。

自治体や企業、シンクタンクとの協働、アドボカシー活動、イベントなどにも取り組んできたことが紹介されている。

さらにNO YOUTH NO JAPANは2019年の活動開始後、2020年には一般社団法人として法人化されている。現在の公式サイトでは決算報告書も年度ごとに公開されている。

もちろん、情報公開があるから活動内容のすべてが正しいと決まるわけではない。

しかし、「SNSで目立つことだけを目的にしている」という見方では説明しにくい活動の積み重ねがあることは確かだ。

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能條桃子さんを「胡散臭い」で片付けるのはもったいない

政治や社会問題について強い意見を発信する人を見ると、「胡散臭い」と感じることはある。

これは能條桃子さんに限った話ではない。

特に若く、SNSで大きな発信力を持っている人物なら、なおさら警戒されやすい。

しかし、人物を見るときには、発言の好き嫌いと活動の実態を分けて考えたほうがいい。

能條桃子さんの場合、2019年のNO YOUTH NO JAPAN設立から、若者の政治参加、選挙、社会問題、ジェンダーギャップなどについて継続的に活動してきた経歴がある。

さらにTIME誌の「TIME100 NEXT 2022」にも選出されている。

意見が合わないテーマがあったとしても、それだけで「胡散臭い人物」と判断するのは適切ではないだろう。

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「胡散臭くない」と感じる最大の理由

能條桃子さんについて調べていて一番印象的なのは、「政治に詳しい人が若者を教育する」という構図だけではないことだ。

むしろ、自分自身がデンマーク留学で刺激を受け、疑問を持ち、仲間を集め、団体を作り、発信を続けてきた。

そして、その活動を次の世代へ引き継ぐところまで進んでいる。

2026年度からNO YOUTH NO JAPANでは足立あゆみさんと沼子真生さんが共同代表を務めており、創設メンバーの能條桃子さんから代表が引き継がれたことも公式サイトで確認できる。

これは意外と大きなポイントだ。

本当に自分の知名度だけを目的とした活動なら、代表を引き継いで組織を次の世代へ渡す必要はない。

組織として活動を継続させる方向に進んでいることは、能條さんの活動を評価するうえで見逃せない部分だと思う。

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まとめ

能條桃子さんは、政治やジェンダーという意見が割れやすいテーマを扱っているため、「胡散臭いのでは?」と思われることがある。

しかし実際には、若者の政治参加を促すNO YOUTH NO JAPANを立ち上げ、SNSで分かりやすく情報を届け、自治体や企業などとも協働しながら活動してきた。

さらにFIFTYS PROJECTでは、政治分野のジェンダーギャップという別の課題にも取り組んでいる。

もちろん、能條桃子さんのすべての主張に賛成する必要はない。

政治に関する考え方は人それぞれだからだ。

ただ、「意見が違う」ことと「胡散臭い」ことは別である。

むしろ能條桃子さんの場合、「政治に興味がない人にも政治を知ってもらうにはどうすればいいか」という問題に、SNSや若者文化という身近な道具を使って向き合ってきたところに面白さがある。

「政治は難しいもの」という固定観念を壊し、政治を自分たちの生活に引き寄せる。

その試行錯誤を続けてきた人物と考えれば、能條桃子さんは「胡散臭い」という一言で片付けるより、若者と政治の距離を縮めようとしてきた実践型の活動家と見るほうが実態に近いだろう。